「美味しい」は〇〇で決まる? Vol.2~言葉の考察~

言葉 Blog

前回、以下の記事を上げました。

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「美味しい」は〇〇で決まる?~価値観の考察~

この記事では、美味しいを「価値観」で感じている――
というお話を書きました。

今日は、人間が味わうときに使う五感、
味覚・視覚・嗅覚・触覚、そしてテーマにする聴覚のお話です。

この「聴覚」とは、例えばシズルを感じる音などとは別の、
人の言葉による「聴覚」です。

 

言葉がもたらす「美味しさ」とは?

私が飲食店で勤務し始めた最初の頃、
当時の店長から教わったことの一つに、

「美味しいか不味いか判断させるのではなく、
美味しいかめちゃくちゃ美味しいかを判断させる」

それがウェイターの役目だ――という教えがありました。

要約して言えば、

プレゼンテーション上手になれ

ということです。

 

プレゼンテーションを行い、フォーカスして欲しい部分を伝えることによって、
お客様の事前期待が高まり、口にしたときの注意力に影響を与えるということが、
実践してきて、とてもよく理解出来ました。

 

芸術作品は手引きがあると汲み取れる

例えば美術館や、博物館などに行かれた時に、
よくある「音声ガイド」はご利用になられますか?

音声ガイドによる説明は様々ですが、観ただけで感動できる部分と、
言葉の手引きによって感動できる部分には大きく隔たりがあると、個人的には感じています。

その背景や技術的なことなど、普段からその世界に触れている専門家やファンはともかく、
概ね玄人に程遠い人達にとっては、説明がないと気付けないことが、
音声ガイドを利用することによって、より理解を深められた――

そんな経験がある人もいるのではないでしょうか。

 

ウェイターはガイド役

レストランでの楽しみ方も、「ガイド」があるだけで、
顧客の感じ方に大きく変化をもたらすことが出来ます。

お料理の提供時には、何気なく口に運んで頂くのではなく、
何にフォーカス(注意)してほしいのか?
この料理の背景は何なのか?

また、オーダーテイクの際には、
料理の量や構成のご提案とともに、飲料とのマッチングなど、
様々なご提案や説明も可能です。

料理や飲料の良さ=楽しみ方を、余すところなくお伝えする。
それが、美味しさの印象として残ります。

美味しさは、言葉によっても生まれるのです。

 

プレゼン上手な人

プレゼン上手は、例えば口調や話す速度、根拠やジェスチャーなど、
多岐に渡る要素から成り立ちますが、
個人的に感じる一番の要素は、

相手を巻き込む力

であると、私は考えています。

そのアプローチの仕方は、お客様それぞれによって変わりますので、
言い足すと、背景を汲み取る力とも言えるでしょう。

お客様が耳を貸してくれるように関係性を築くことであったり、
楽しんでもらいたいという姿勢を感じて頂くことであったり。

一方的な(自己満足な)プレゼンではなく、
相手に楽しんで、喜んでもらいたい。という前提のもと、
相手を巻き込んで行えるプレゼンテーションが理想です。

プレゼンテーションは、まさにライブだと思うのです。

 

ガイド役に必要なスキルとは?

質問

 

以下は余談ですが、こうした提案や説明のプレゼンは、
お客様から積極的に聞いてくださる場合もありますよね。
レストラン慣れしている方もいれば、
とりあえず「おすすめは?」と聞くのが定石の方もいます。

これらの質問が出来る方々は、
概ね「レストランを楽しもう」と、能動的な方が多いのですが、
その他の多くの方は、自己完結することが多いように感じます。

その原因として、

  • 聞くのが煩わしい(人見知り)
  • 聞くのが恥ずかしい(経験値が浅いことを知られたくない)

と言ったところでしょうか。
しかし、前述のようにウェイターは「お客様に楽しんでもらうガイド役」です。

優れたガイド役(ウェイター)は、上記の原因を打ち破るべく、
積極的にコミュニケーションを取り、お客様との関係性を築いています。

自店舗のスタッフを、優れたガイド役に育てるには、
「質問力」が最も重要で、磨くべきだと私は思っています。

これはまた、別で書きたいと思います。

 

私共では、「プレゼンテーションのヒント構築」のお手伝いもしております。
ご興味があれば、お話だけでも聞かせて下さい。

お問い合わせはこちらから

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