結論:飲食店のスタッフ採用はリファーラル(紹介)がオススメ

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【飲食店】はリファーラル採用が一番良い

いわゆる「紹介」での採用のお話です。

 

「リファーラル採用」という言葉は、
いつしか聞くようになりましたが、
僕が一番最初に勤めた飲食の企業では、
この「紹介制度」がしっかりと機能していました。

その会社の紹介制度の最も良かったことは、
紹介した人に、紹介された方の勤務条件が満たされれば
10万円の報奨金があったことです。
20年以上前の話で、2001~2年のことでした。

僕が店長時代にこの制度で、
全てアルバイトの紹介で、3人報奨金を貰っています。

アルバイトのスタート時給が850円だった当時において、
魅力的だったことは言うまでもありません。

報奨金は、紹介者のみに渡されます。
が、どのスタッフも、必ず紹介した側とされた側で折半していました。
5万5万の山分け方式です。

スタッフが事前にこの報奨金のことを説明して、
友人を入社させていたからです。

 

コストとして10万円は高いか安いか

2024年において、飲食業のアルバイト一人当たりの採用費はいくらでしょうか。
調べたところ、キッチン限定ですが5万円と出ました。

僕の経験だと、ホールはこれよりも少し低いくらい。
アパレルの販売と同じくらいです。
これを僕は高いと感じています。理由は後述します。

 

リファーラル採用の良いところ

そして、リファーラルだと、前述の会社の場合、
一人当たり10万円で倍増します。
が、僕は安いと感じています
理由は以下です。

  • 既に働いている人が、合う人を選別して紹介する
    (続きそうにもない人は紹介しない)

  • 紹介された側が、紹介者の顔に泥は塗れないという気持ちが働くので、辞めない

  • 紹介された側は、入ってくるときの安心感がある

  • 紹介した側が、しっかり面倒を見る

  • そもそもやる気がある人しか紹介して来ない

なので、私の経験上良いことしかありません。
その時点での採用コストは倍になりますが、
(当時で考えれば3倍以上かもしれません)
一般募集で入って来た人よりも確実性があります。

何より、10万円が無駄金ではありません。
働いているスタッフへ渡されるもの
だからです。

 

一般募集では採用コストが下がるのになぜ高いのか?

一言で終わります。
ミス・マッチングが多いからです。

例えば求人の媒体を使用すれば、
一度に20万円以上は最低でもかかります。
業者にかかるお金です

やっとの思いで採用しても、続かない事が多い。

なぜ続かないのか?
そこにはお店によって色々な理由があるでしょう。
昨今の飲食店において、離職率は大きな問題です。

けど、採用する側は、それを見越して多めに取らなければいけません。
まず、余分な人件費がかかります

そして働いてみてから辞める人も多いので、
面接やオリエンテーションなどの、
採用に費やした時間がもったいない
そのコストを考えても、無駄な人件費だらけです。

なので、私はこの求人媒体というものを、
極力使いたくなかったのですが、
使わざるを得ませんでした。

かつて在籍していたある企業では、
1店舗で年間60~80万円ほどの採用予算がありましたが、
学生で卒業まで続いたスタッフを考えると、
一人当たりの採用コストが10万円近くになっています。

採用コストは3~5万円だったとしてもです。

そう考えると、ムダ金ではなく、
もしかしたらまた紹介してくれる可能性のある、
リファーラル採用の方が良いことが分かります。

 

目指していたやり方

自営業でお店をやっていた時、
スタッフが続いたのは
紹介からの入社が主でした。

そして、全て上手くいった訳では無いですが、
その紹介してもらう事に、
コストをかけることを重きに置きました。

これは、お店が30席ほどの小規模店だったからできたと思っています。

実際のところ、私が自営業の時にかけた採用費は、
7年間で概算7~80万円ほどだったと思います。

このお店のサービスは良いからと言われて、
顧客からスタッフを紹介してもらう事もありました。

そうした時は、お礼に食事にご招待して、
ある程度高額なワインを用意しても、
原価トータルで2万円を超えるくらいで済みます

実体験で、顧客やスタッフからの紹介こそが、
最も効率的で効果的でした。

ネガティブなことが一つだけあったのが、
シェフが退社時にキッチンスタッフが総上がりしたことでした。
シェフがチームを構築するのに、知人を紹介して入社させたからです。

そのリスクだけはあります。

もし、オーナーシェフなら、逆にホールスタッフの総上がりというリスクはありますが、
物ありきの飲食店において、料理が無いこと自体は避けられるので、まだリスク自体は低めです。

派遣を使うときの教育のコツはこちら >

 

リファーラル採用の仕組みの前に

まず、店舗内での労働環境構築に力を入れることが優先です。
簡単な話ですが、飲食店の場合、

まかないに最も気を配りましょう

この質と量のクオリティが低いと、働くスタッフに影響を与えます。

そんなことで?
と思われるかもしれませんが、
実は飲食店での勤務において、
まかない(食事)に対する価値感覚は非常に大きいです。

それが働く理由だと言い切る人もいます。
まかないに命かけてます(笑)
と言った人もいました。

決して疎かにはできません。
「食べ物の恨みは怖い」は、
逆説ですが根源的なことを教えてくれます。

 

給与は他よりも少し多めにしましょう

最後の職場(会社)では、なかなか時給を上げませんでした。
1年やって最大昇給額の幅が50円まで。
と決まっていました。

これには
「時給を一気に上げてもその時に感じる喜びはすぐになくなり、
徐々に上げる方がモチベーションは保たれる。違う所にメリットを」

と人事から言われましたが、
机上の理論だと思い知らされています。

結局1年やってもそんなくらいしか上がらないのか
と気落ちしたスタッフは、
違う時給の良いところへ移ってしまいます。

なんとか人間関係構築で繋ぎ留めていても、
結局掛け持ちはするので、入る回数は少なくなります。

学生の場合は働く時間が限られるので、
少しでも良い時給の所へ移るのは自明の理です。

そして何より、後から入って来たスタッフへ教えたり、
仕事も少し責任が多いことをやっていても、
たった50円しか違わない。
と考えると、モチベーションも落ちます。

前の職場で何度も聞いた、アルバイトの意見です。

しかもそれが、都の最低時給更新で、
簡単に全員が増えるのを見ると、
(増やさなければいけないのですが)
モチベーションはダダ下がりになります

増えているのに、素直に喜べないと言います。
それは自分の仕事の成果による達成感ではなく
仕事が出来ようが出来まいが、みんな上がるからです。

最後の職場での時給に関しての諸々は、
良い思い出が一切ありません。

 

知識・技術を与えましょう

僕は、自分でお店をやっていた時には、
キッチンスタッフ含め、ワインの講習会を開いていました。
その都度、新しいワインを体験させて、
時には料理とのペアリングも試させました。

店を閉店後、雇われた時には、
残念ながら料理は自由にはならなかったので、
Barの中にあるお酒の知識、
料理との相性、セールストークの活用法など、
多岐に渡って教えていました。

そうして働くメリットを感じて貰えれば、
何かの時に紹介してくれることがあります。

ただ、残念ながら前述の会社では、
リファーラル採用の報奨金がアルバイトの場合、わずか2万円しかありませんでした。
これではなかなかその気になりません。

そして、僕はスタッフの中でも、
紹介して欲しい人だけにお願いしていました。
なぜなら、

類は友を呼ぶ

と思っていましたので、
あまり向いていないな。
と思う人には、紹介して欲しいと伝えませんでした。

これは、合っているかどうかは分かりません。
実際のところ全員に声をかけたらどうなったでしょう。

なので、最後の職場では、
ほとんどリファーラル採用がありませんでした。

 

まとめ

これからの飲食店の人員不足は更に加速し、
外国人労働力に頼らざるを得なくなっていきます。

実際、私が勤めていた会社でも、ホール勤務の外国人が増えていました。
(その紹介所にかかるコストも高額です)

ですので、リファーラル採用は、
最も大事な軸にしていく必要があると思います。

至極当然ですが、今いるスタッフの仕事を認め、磨いて、
紹介しても良いと思える環境づくりがまず必須で、
そこから先に、紹介してもらっても大丈夫な土台作り、
そして紹介の仕組みの構築。

同時進行でも構いませんが、
それぞれのキモは押さえて進めましょう。

そして、本来あるべき姿である、

スタッフを選べないより、スタッフを選べるお店になることを目指しましょう。

みんなが、このお店良いよな。
という所には、人が集まるようにできています。

それぞれの強みや、スタッフ目線での、紹介制度のやり方があると思います。

是非、試してみて下さい。

 

(外部リンク:リファーラル採用に関しての記事)
https://lb-media.jp/management-2/basic_knowledge_hr_0019/

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