おもてなしの極意~レセプション編~

Blog コラム

一歩先の“おもてなし”へ ~ レセプション編 ~

以下は僕がお手伝い先の職場で、スタッフが見るライングループに掲載した内容です。
(一部ブログ用に改編してあります)

 

―席に着く前に感動をつくるレセプションの仕事―

飲食店にとって、サービスの質が評価される瞬間は、料理が届いた時でも、ドリンクを提供した瞬間でもありません。
それよりも早く、店の印象を決める瞬間があります。

それは——お客様が店に到着した“その一歩目”です。

お店の入り口

 

最初の数秒が、お店の価値を決める

私が以前、200席を超える大型ダイニングでレセプションを担当していた頃、常に意識していたことがあります。

「席に着く前に満足度を生む」こと。

初来店のお客様は、必ず期待を持って訪れます。
食べログの評価、知人からの紹介、テレビやSNSでの情報——。
多くの期待を胸に、足を運んでくださるわけです。

そしてその期待に対する“最初の答え合わせ”をするのが、レセプションです。

  • 「あ、なんかこのお店、違うな」

  • 「ここを選んで良かった」

そう思っていただけるかどうかは、最初に接するスタッフの一瞬の対応にかかっています

 

こちらから“お名前を呼ぶ”という価値

レセプションの仕事で、私が最も大切にしていたことがあります。

お客様より先に、こちらからお名前をお呼びすること。

多くのお店では、
「ご予約のお名前を頂戴できますか?」
と、お客様に名乗っていただくのが当たり前になっています。

皆さん、ご予約のお客様に、「自ら名乗らせることが当たり前」になってませんか?
また、「名乗らせてから予約席の確認」してませんか?

僕は全組数のうち、何組先に名前を呼べたか

呼べなかった時は、名前を言われた瞬間、予約表に目を通すことなくご案内できるか、毎日チャレンジしてました。
この意識の違いが、お客様の「普通じゃないレストラン」の意識・期待感を生みます。

  • 予約表を見ずにお名前を呼べたか

  • 何組のお客様を事前に把握できたか

まるでゲームのようですが、その意識が、
**普通じゃない体験**をつくるのです。

 

具体的に何をして欲しいか

30分間に来店される組数(予約名)は、多忙日ならともかく、概ね5組まででしょう。
ランチだともっとですよね。これは仕方ありませんが、5組までなら、覚えましょう。
最初は3組でも良いです。

そして、その背景がわかっている場合、 概ねどんなお客様か想像できます。
そういった方々が入口目指して来てくださった時に、こちらから見当つけて名前をお呼びします。

ビンゴだと、

「なんで分かったんですか!?」

と驚かれるあの瞬間——
そこに“感動が生まれる瞬間”があります。

 

トライ&エラーの積み重ねがプロをつくる

もちろん、間違えることもありました。
でも、それで良いのです。

挑戦し、間違え、改善する。
その繰り返しこそが、サービスの精度を高めていきます。

30分で5組の予約——
その全組の名前とテーブルを覚えられたなら、それはもう立派なプロの仕事です。

 

今の持ち場で、もう一段高い仕事を

これはレセプションに限りません。
お店にはそれぞれのセクションがあり、
どこにいても、**一歩先のおもてなし**はできます。

「自分のポジションで、さらに上の仕事は何か?」
それを考え、試し、磨き続けること。

同じ時間働くなら、
濃い時間のほうが楽しいし、成長につながる。

そしてそれは、いつか
あなたにしかない価値となり、
誰かに伝えられる力になります。

 

さいごに

私は、ただのマニュアル化された“接客”ではなく、
**心を砕き、相手の期待を超える“おもてなし”**を大切にしています。

現場で働く仲間に向けて伝えている言葉ですが、
この考えは、どんなお客様に対しても、
そしてどんなサービスにも共通するものだと思っています。

この記事が、
誰かの気づきや行動のきっかけになれば幸いです。

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