飲食店は「命を預かる仕事」
飲食店は、お客様が口にするものを扱う仕事です。
だからこそ、衛生管理の責任は極めて重い。
料理の技術や接客の技術ももちろん大切ですが、それ以前に守らなければならないものがあります。
それが「安全」です。
私は新人研修の際、
「飲食店で絶対に起こしてはいけないことが3つある」
と必ず伝えています。
それは、
- 食中毒
- 火事
- SNSトラブル
です。
どれも共通しているのは、
営業ができなくなる
ということ。
そして営業できなくなるということは、
お客様に迷惑をかけるだけでなく、
一緒に働くスタッフの生活にも影響します。
だからこそ、全員で守らなければならない問題なのです。
大きな事故が法律を変える
衛生管理に関する法律やルールは、過去の事故から生まれています。
代表的な例がユッケの食中毒事件です。
2011年、焼肉チェーン店で提供されたユッケが原因となり、大規模な集団食中毒が発生しました。
181名が感染し、5名もの尊い命が失われました。
この事故をきっかけに、生食用牛肉に関する規制は大きく強化されます。
つまり、
法律は事故の後に作られる
ということです。
だからこそ、
「今まで大丈夫だった」
ではなく、
「事故を起こさないために何が必要か」
を考え続けなければなりません。
食中毒は意識だけでは防げない
もちろん、
「気を付けよう」
という意識は大切です。
しかし意識だけでは、人は必ず忘れます。
だからこそ必要なのが仕組みです。
私が以前勤務していたグローバルダイニングでは、
店長や料理長になるために、
- 防火管理者
- 調理師免許または食品衛生責任者
などの資格取得が求められていました。
理由はシンプルです。
知識を持つ人が現場を監督するためです。
また現在では、多くの飲食店でHACCPによる衛生管理が義務化されています。
記録を残し、
確認し、
改善する。
人の記憶ではなく、仕組みで守る。
それが現代の衛生管理です。
「命を預かる仕事」を教えられた日
私がキッチン業務を始めたばかりの頃。
あるシェフから聞いた話があります。
そのシェフがまだ修業中だった頃のこと。
ある朝、料理長がいつもより早く出勤し、冷蔵庫の中身をすべて出し始めたそうです。
そして黙々と冷蔵庫の清掃を始めた。
見かねて
「代わります」
と言っても、
「黙って見てろ」
と言われる。
掃除が終わると、その料理長は雑巾を見せてこう言ったそうです。
「これで顔を拭いてみろ」
戸惑った瞬間、拳が飛んできたそうです。
そして一言。
「俺たちは人の命を預かる仕事をしているんだ」
「食材を保管する場所は、顔が拭けるくらい綺麗にしておけ」
今の時代なら拳は問題でしょう。
しかし、その言葉の重みは今でも忘れられません。
リーダーが伝え続けなければならない
その話を聞いた後。
私たちは何もしませんでした。
するとシェフに怒られました。
「お前たち、何も感じなかったのか」
確かにその通りでした。
そうか、と納得しただけで終わっていたのです。
本当に理解したなら、
その場で冷蔵庫を掃除しなければならない。
聞いただけでは意味がない。
行動して初めて理解したことになる。
その時に学んだのは、
衛生管理とは技術ではなく習慣であるということでした。
そして、その習慣を作るのは現場のリーダーです。
日々伝え続ける。
確認し続ける。
妥協しない。
その積み重ねが事故を防ぎます。
まとめ|衛生管理は「仕組み」と「意識」の両輪
食中毒を防ぐために必要なのは、
- HACCPなどの仕組み
- 正しい知識
- 日々の点検
- 手洗いの徹底
そして何より、
「人の命を預かっている」という意識
です。
仕組みだけでも足りない。
気持ちだけでも足りない。
両方が揃って初めて事故は防げます。
梅雨から夏にかけては、特に食中毒リスクが高まる季節です。
ぜひ今一度、ご自身のお店の衛生管理を見直してみてはいかがでしょうか。
飲食店の現場では、衛生管理だけでなく、防火管理やSNS運用トラブルなど、営業を止めないための仕組みづくりが欠かせません。
DUEでは、オペレーション構築・スタッフ教育・行動指針の策定を通じて、「現場で実際に機能する仕組みづくり」をお手伝いしています。
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そんな方は、お気軽にご相談ください。
