飲食店で働いたことがある人なら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
営業終了後のレジ締め。
「レジが3,000円足りない」
「逆に1,500円多い」
そんなレジ誤差です。
金額の大小に関わらず、原因が分からないまま終わると後味が悪いものです。
私はこれまで様々な飲食店で店長やマネージャーを経験してきましたが、レジの過不足には必ず原因がありました。
そしてその多くは、
個人の能力ではなく、オペレーションの問題
だったのです。
今回は、飲食店で釣銭金の過不足が発生する原因と対策について、現場経験をもとにお話しします。
レジ誤差が少ない店舗には共通点がある
これまで経験した中で、最もレジ誤差が少なかったのは、
会計専門スタッフがいる店舗
でした。
ホテル時代の話ですが、
レストランスタッフではなく、会計専門部署が全ての精算を担当していました。
当然ながら、
- 会計業務に集中できる
- 経験値が蓄積される
- 手順が標準化される
ため、レジ誤差は極端に少なくなります。
つまり、
会計業務は「専門化」するほどミスが減る
ということです。
レジ誤差が増える店舗の特徴
逆に、レジ誤差が頻発する店舗には共通点があります。
1. 個別会計が多い
ランチ営業でよく見られるケースです。
特にビジネス街では、
「6名で来店して6人全員別会計」
ということも珍しくありません。
後ろに会計待ちの列ができると、
どうしても焦りが生まれます。
焦りはミスを生みます。
- 金額の聞き間違い
- お釣りの渡し間違い
- レジ操作ミス
が発生しやすくなります。
2. 割引やキャンペーンが多い
これは私が実際に責任者をしていた店舗で経験したことです。
- クーポン
- 会員割引
- 誕生日特典
- アプリ特典
- ランチサービス
など、会計時に確認すべき項目が非常に多かったのです。
当然、
会計処理が複雑になるほどミスは増えます。
現場は販売促進策が増えるほど大変になります。
本部が施策を考える際には、
現場負荷も合わせて考える必要があります。
3. スタッフの入れ替わりが激しい
飲食店最大の課題の一つです。
レジ業務は経験によって精度が大きく変わります。
新人スタッフが増えるほど、
レジ誤差の発生率も上がります。
これは能力の問題ではありません。
経験値の問題です。
4. 予約オペレーションが無理をしている
意外と見落とされるポイントです。
例えば、
18:00予約
↓
20:00予約
というように、
退店予定時間と次の予約時間が完全一致している場合。
入口担当は、
- 帰らないお客様
- 入店できないお客様
両方からプレッシャーを受けます。
その状態で会計を行えば、
当然ミスは起こりやすくなります。
レジ誤差の最大の原因は「焦り」
長年現場を見てきて思うことがあります。
レジ誤差の原因は、
能力不足ではなく、
焦り
です。
忙しいからミスする。
待たせたくないから急ぐ。
急ぐから確認を省略する。
結果としてミスになる。
この流れが非常に多いのです。
自動釣銭機は有効なのか?
結論から言えば、
非常に有効です。
メリット
- お釣りミスがほぼ無くなる
- レジ締めが楽になる
- 不正防止につながる
デメリット
- 導入コストがかかる
- 店舗によっては会計時間が長くなる
- 設置スペースが必要
それでも、
レジ誤差によるストレスや損失を考えれば、
導入価値は十分あります。
レジ誤差は「人」ではなく「仕組み」で防ぐ
レジ誤差が起きると、
ついスタッフ個人の責任にしたくなります。
しかし実際は違います。
- 個別会計が多い
- 会計処理が複雑
- 人員不足
- 教育不足
- オペレーション設計不足
こうした要因が重なった結果としてミスが起きています。
つまり、
レジ誤差は個人の問題ではなく、仕組みの問題です。
まとめ|ミスする前提で仕組みを作る
人は必ずミスをします。
だからこそ、
「ミスをしない人を育てる」
のではなく、
「ミスが起こりにくい仕組みを作る」
ことが重要です。
飲食店のレジ誤差対策として有効なのは、
- 会計業務の標準化
- 操作手順の簡素化
- 自動釣銭機の導入
- スタッフ教育
- 焦りを生まないオペレーション設計
です。
もしレジの過不足が頻繁に発生しているのであれば、
スタッフを責める前に、
その仕組みを見直してみることをおすすめします。
