以下は僕がお手伝い先の職場で、スタッフが見るライングループに掲載した内容です。 (一部ブログ用に改編してあります)
わからない言葉を、わからないままにしない
―学ぶ姿勢がサービスの質をつくる―
レストランの仕事を始めたばかりのスタッフに、
私がいつも最初に伝えることがあります。
「わからない言葉を、そのままにしない」こと。
これは、シンプルですが、
サービスマンとしての成長を左右する習慣です。
入社オリエンテーションで行っていた“最初の課題”
店長時代、オリエンテーションの時に必ず行っていた作業があります。
●メニューを配布し、「わからない言葉」にマーカーを引かせる
レストランのメニューには、
素材名・調理法・地名など、独特の専門用語が多く登場します。
初めて見るスタッフがわからないのは当然です。
しかし、この言葉をどれだけ早く理解できるかで、
その後のスキルアップ速度はまったく違います。
調べて、書いて、覚える。
―「アンチョビ」を説明できるか?―
私は、マーカーをつけさせたあとは、
その下に自分で意味を書くように指導していました。
たとえば「アンチョビ」。
名前は知っていても、
“実際に何なのか”を説明できる人は意外と少ないものです。
自分の言葉で説明できて初めて「理解している」と言えます。
耳で聞いて覚えた知識は、すぐに消えます。
自分で調べて書いた知識だけが、本物の力になります。
情報が簡単に手に入る時代だからこそ、姿勢が問われる
昔は、辞書や本を読み漁って覚えるしかありませんでした。
今はスマートフォンで数秒あれば検索できます。
便利になった反面、
「調べて終わり」になりがちでもあります。
大切なのは、情報を“得ること”ではなく、
自分の中に定着させる努力です。
学ぶ姿勢の根底にあるもの
能動的に学ぼうとする人と、そうでない人。
両者の違いは、「自分がどうなりたいか」を描けているかにあります。
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もっと成長したい
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お客様にもっと喜んでもらいたい
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自分の価値を高めたい
そういった“未来の自分像”がある人は、
自然と行動に熱がこもります。
凡事徹底が、未来をつくる
「何を得たいか」「何を糧にしたいか」「何を実現したいか」
それが明確なら、やることはひとつ。
凡事徹底。
当たり前を、誰よりも丁寧に積み上げること。
その第一歩が、
「わからない言葉を調べる」という習慣です。
一日一つでいい。積み重ねが力になる
一日にひとつ、新しい言葉を覚える。
それだけで一年後には365の知識が増えます。
成長とは、特別なことではなく、
日々の小さな積み重ねの結果です。
「積み重ねられる人だけが、遠くへ行ける。」
― イチロー
まとめ
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メニューの中の“わからない言葉”を放置しない
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自分で調べて、自分の言葉で説明できるようにする
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情報を“得る”より“定着させる”意識を持つ
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成長は、地道な積み重ねからしか生まれない
まずは、今日ひとつ。
わからない言葉を調べてみよう。
