マルチタスク教育ポイント

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飲食店ホール業務【マルチタスク習得】のために教育する6つのポイント

ご存知の通り、飲食店は様々なタスクが同時進行で進みます。

そのタスクを効率よく、お客様の満足度を上げながら処理をする方法をまとめました。

ポイントは全部で6つです。

  1. ゆっくり考えながら作業する
  2. 同じことを同じタイミングで行う事を増やす
  3. 技術の会得
  4. 情報を捨てていく
  5. 確認する機会を強制的に設ける
  6. 逆算する

それぞれ説明していきましょう。

 

ゆっくり考えながら作業する

例えば皆さんが初めて自転車に乗った時を思い浮かべて下さい。
最初からスラスラと運転できなかったと思います。

なぜなら、体が運転を覚えていないし、視界もどこを見ればいいのかが分からない。

最初はゆっくりと運転し、徐々に慣れて来て、
スムーズに情報処理が出来る様になり、
スピードを上げれるようになったのではないでしょうか。

マルチタスクも同じです。
最初からスピードを上げていれば当然視界は狭まり、
結果一つの情報を処理するだけに留まります。

情報を処理する速度は人に因って様々です。
経験がある人でも、情報処理能力が極端に低い人もいます。

ですので、基準はゆっくり歩く=情報処理する】を浸透させるべきです。

後々、スピードを上げることを前提に、
最初はゆっくりを心がけてもらいましょう。

 

同じことを同じタイミングで行う事を増やす

例えば水を注いでいくときに、一人に対してだけではなく、複数の人に水を注いだ方が効率が良いのは当然ですね。
一度水のピッチャーを持ったら、一通り回って来なさい。と教えた経験がきっと皆さまにもあるはずです。

それは水だけではありません。

ドリンクのオーダーを頂いた時に、同じテーブル内の方々に促すように指導をしているでしょうか。

大人数になればなるほど、ドリンクの残量が多くとも、促してみればお客様は(まとめてお願いしよう)という心理になることが多いです。
その一言を言えるようになるかどうかで、効率が変わります。

他にもバッシング。トレイを持つスキル、下げ物をするスキルが必須になってきますが、
バッシングをした以上、必ず洗い場もしくはその準ずる場所まで下げ物を運ぶことになります。

その導線上で、複数のテーブルで同じことが出来るようになると、
必然的に作業効率が上がりますので、

今やっていることを他でもできないか?

を常に考えさせられるようにすることがゴールです。

 

技術の会得

大事なことですが、トレイを持つ技術、お皿を複数枚持つ技術、バッシングする技術などは効率よく作業を進めるために必要です。

ただし、この技術を分かり易く、具体的に指導できるスキルと、
再現性が高い技術の教育が指導者には必須です。

技術は言葉だけでは教えられません。
必ずやって見せて、させてみる必要があります。

自分しかできない・かなり経験を積まなければ不可能のような技術は教育には不要ですので、
初心者の時にどうすれば良いのかを分かり易く教えられることが重要です。

また、キモは【教えた人が次に教えられる】ようになること。

これが具体的な指導方法という意識でいると、
より分かり易く、見せて伝わる言葉を選ぶことになります。

 

情報を捨てていく

マルチタスクの中では、情報を捨てていく作業がとても重要になってきます。

例えば、ドリンクのお代わりを聞くべきところを放置していると、
いつまでたってもそのテーブルをケアし続けなくてはなりません。

結果、お客様から「すみません」と呼ばれてしまいます。

一度お伺いして要らないと言われれば、次に聞く必要は(一応)無くなります。
また、食事が終わったテーブルも(基本的に)意識から捨てられます。

要は、ケアしなければならない事を一つづつ潰し、意識から捨てられる様にしていけば、
フォーカスするべき情報が少なくなっていくということです。

マルチタスクにおいて、情報の取捨選択はとても重要です。

 

確認する機会を強制的に設ける

多忙時にあるあるなのが、マルチタスク中にメモをすることが困難な状況で、通すべきオーダーを失念することがあります。
これはいくら慣れても起こりうるミスです。

次から次へと起こるタスクに追われ続けていると、情報の処理が追い付かなくなります。
そんなとき、必要なのは振り返りを強制的に行うことです。

僕の場合は、オーダーを通すPOSがある場所で、一通り自分のセクションを見返すクセを付けていました。

すると、
(あ、ここのドリンクそろそろ聞かなきゃいけない)
(このテーブルのバッシングは○○をした後に行おう)
(あ、ここのワイン打ち忘れているな!危ない危ない)
(ここのアフター、もう少し後かな・・・?)

などなど、テーブル一つ一つの進行状況と、何か忘れていないかのチェックを強制的に行うことをクセづけるのです。

ハンディを使用している場合でも、何かしらのタイミングで、どこかの場所で必ず行うように、
強制的にクセ付けすることによって、情報の漏れを無くすことが出来ます。

 

追われているときにこそ、一通り振り返る機会を設ける――

傍から見れば、早く動けよ!と思われがちですが、
情報を処理することこそが最も大事なタスクだと認識して、
あえて処理をさせることを優先しましょう。

結果、急いでいるときに起こりがちなミスを防げるようになります。

 

逆算する

最後は、逆算の重要性です。

運営をスムーズに行うために、全て逆算で計算していきます。
実はこれまでのこと全ては、この逆算と繋がっています。

  • 忙しさのピーク
  • 必要な作業

基本的にはこの二つを意識させます。

忙しさのピークまでに行っておかなければならない事を把握させて、
各テーブルごとに必ず行わなければならない作業を逆算で意識させる。

それぞれのポイントから逆算することは、全ての作業を考えながら行わせることに繋がります。

これは新人のみならず、むしろ管理者・マネージャーに必要な作業ですが、
この考え方を浸透させられるだけで、運営能力は大幅に上がります。

 

以上がマルチタスクに必要な6つのポイントでした。
是非ご参考にして頂いて、より良いオペレーションの構築、運営に役立てて下さい。

 

 

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