オペレーション 事例集 飲食店運営のヒント

飲食店リーダー必見!人手不足でもお客様満足を落とさない7つのステップ

飲食業界は慢性的な人員不足ですが、
とりわけ土日祝日の出勤スタッフを確保することが難しいのが実情です。

お客様が集まる絶好の機会に人員不足――
売上機会の損失は、何にも増して惜しいと感じることです。

そんな売り上げを取り逃がしている、
もしくは売上を上げたいがために無理にお客様を迎え入れて、満足度が下がっている――(こっちの方がもっと危険)

そんな営業日をより良いものとするために、
今日は実体験のベターな方法を書いてみたいと思います。

 

準備8割、当日2割

忙しい当日を迎えるまでに、
どれだけ準備できているか?】こそが、
管理職が最も気を配るべき部分です。

そして、僕の感覚で言えば、
タイトルの通り準備で8割決まります。

では、その準備8割を紐解きましょう。

 

1.予約は戦略~キャパシティに合わせた予約管理術

まず大前提で、自店舗のお客様を迎えられる、
時間ごとのキャパシティを把握できているでしょうか?

業態にもよりますが、例えば25テーブル100席の店舗があったとして、
「満席率」で考えた時に、その100席丸ごと埋まることはほぼなく、概ね6~7割ほどでしょうか。
例えば多い時で70名で考えたとしましょう。

その70名を1時間の間でどう割り振るか?
を基準に考えると良いと思います。

1時間を15分刻みで承る場合は70名を4分割し、
15分間に6テーブル、約18名様までを上限とする。
という、予約受注時の基本的なルールですね。

そのルールを、電話対応とWEB予約に反映させる工夫が必要です。

上記の場合、僕の経験上のお話ですが、25テーブル100席ですと、
一般的なスキルの場合、ウェイターは3人必要です。

ウェイターが2人しかいなかった場合は、そのスキルに合わせて耐えられるテーブル数と人数を設定しましょう。

まずは、1.ご予約をしっかりコントロールすることです。

 

2.混乱回避のカギはコース導入にあり

飲食店の運営で一番困ること――それは、
アラカルトで注文が一気に入ることです。

経験ある方が多いと思うのですが、そうなるとキッチンから先に崩れて、
ひいてはホールが崩れていくことに繋がります。

前述の予約の受け方にも関わってきますが、
一番大事なのは事前準備ができるか?
がポイントになってきます。

答えはタイトルの通り、
2.コース料理やパーティープランを事前に承れるようにすることです。

事前準備が出来ていると、必然的に運営がスムーズになり、
ストレスが少なくなります。

経験談として、どうしてもその時間がいいと言われた時に、
理由を説明して「コース料理であれば承れます」
と言って、対応したこともあります。

 

3.現場で慌てないために、予約確認を仕組みに

すなわち、3.予約確認を行うことです。
忙しくない日はおざなりになっていたとしても何とかなりますが、
予約のたくさん入っている多忙日で、かつ人員も少ないとなれば、
この事前準備は重要です。

その中で最も大事なのは、2のコースやパーティーでのご予約の場合、
【アレルギー対応やNG食材】を反映させてあることです。

せっかく準備していた内容が一部変更になった場合、
結果としてより時間がかかる場合もあります。

この内容に関しては、どうしても不足部分が出てきます。
いくら事前に確認したとて、ご予約者がお連れ様のNGを聞けない状況・・・例えば接待が趣旨とかなら、どうしても不足が出てきますが、
大事なのは極力減らすことです。

 

4.テーブル数を減らす

通常では2名席をいくつか用意していると思います。
お客様にとってのストレスの一つは、
空いている席が見えていて案内されない
ことですので、これを潰します。

要は、4.二名席を二つ繋げて4名席を増やします。
全て4名以上のテーブルにして、4名席に2名様をお通しします。

例えば6名テーブルは4名で――など、
満席率をあえて下げるのです。

「1.ご予約の取り方の注意点」でお話した25テーブル100名を、
極端に言えば13テーブル50名までの間で、どこかに落としどころを決めるのです。
スタッフの経験値や実力と照らし合わせて、考えましょう。

この場合、事前に予約のコントロールをする必要があるので、
シフトの状況次第で、早めに手を打ちましょう。

これにはリスクもあって、もし1名様でも来店されるお客様が多い場合は、かなり満席率が下がりますので、バランスを考えることも大事です。

 

5.待ち時間をゼロにする“裏ワザ”を準備

お客様が感じるストレスは、
時間を無駄に過ごしていることが挙げられます。

すなわち、物がスムーズに出てこない事に対して、
対応を事前に用意しておくのです。

例えば、皆が飲めるようなもの・・・
アルコールとソフトドリンクの、フリーで飲めるものを用意しておくことや、
フードが中々出てこない状況の時に、何かしら口封じになるアイテムを用意しておくなど、
必ずお客様が感じるであろうストレスを潰しておきます。

僕が関わったとあるレストランでは、ドリンクメニューの中に、シェイカー物のカクテルが余りにも多く、
ファーストドリンクでそれらを頼まれた際に、中々物が出てこない――
その対応のために、アルコールとノンアルコールのスパークリングは、無料で出していいというルールがありました。

また違うお店では、生ハムを準備しておいて、
料理に時間がかかる際には、合間におつまみとして出していたこともあります。

 

6.誰が何をどこまでやるか?責任の明確化

普段からオペレーションが確定している職場では問題ないと思いますが、
人員が少ない時に最も気を付けるべきなのは、
責任の範囲をしっかり決めることです。

それはテーブルだけでなく、業務諸々の内容全てに関して、
当日働くスタッフの意識のすり合わせが必要です。

普段から、ある特定の人の優しさや気遣いで成り立っている場合には、
多忙時には平等に明確に決めておく必要があります。

また人員不足時には、普段であれば分担できていることを、兼任する必要があります。

ポテンヒットがないように、6.何をどこまでが誰の責任かを明確にしましょう。

※注意点

ですが、それが出来なかったからと言って、責めてはいけません。

普段より多くの業務を行わなければならない状態であるが為に、
スタッフ個々のキャパシティを理解して、大幅に超えさせてしまってはいけません。
人にも因りますが、超えすぎるとミスをします。

ボーダーラインを超えないようにするには、普段から各スタッフの業務内容の把握をしっかりしておく必要があります。

 

7.何より大事な一致団結

(やってられない)と感じる人が一人でもいれば、
必ず運営に支障が出ます。

今日は残念ながら人がいないから、何とか皆で乗り切ろう!
という一致団結を促すのは、リーダーの役割です。

そしてその説得力が効くのは、リーダーの普段からの姿勢を背中で見せておく必要があります。

「今日はみんなの力を貸してほしい」とお願いして、
皆が一致団結で営業に向かえば、不思議と上手く回るものです。

この一体感がお客様に良い影響を与えることもしばしばです。

そして一日が無事終われば――

何より大事な、【ねぎらいの言葉】です。
いつもの「お疲れ様」以外のその一言が、
スタッフの充実感にも繋がります。

僕は言葉と共に、時にはコンビニでアイス買ったり、
ドリンク買ったりして、振舞っていました。

だんだんと、多忙時に出勤してくれているスタッフから
「今日は〇〇が食べたいな~」なんて言われるようになりました。(笑)

 

まとめ

必ずイレギュラーはある

冒頭に準備8割と書きましたが、実際に営業に入ると、
当然ながらイレギュラーは起こります。

それが"当日2割"の意味です。

そして、ミスがなく終われば良いですが、
実際にはミスも起こりますし、それが原因でクレームも起こります。

そうなると対応で時間を取られて、もっと回らなくなる可能性があります。
――そうなった時にはどうすれば良いのか?

そこまで頭に入れて、当日の運営や指示出しを考えてなければなりません。
大事なのはシュミレーションをしておいて、慌てないようにすることです。

時にはご予約以外の入店は止めなければなりません。
お断りしたお客様への対応なども考えておかなければなりません。

予期せぬことが起こった時に、一番踏ん張るべきは責任者です。

 

感謝を伝える

これを読んでくださっている責任者の方は、
人手不足は自分の責任と捉えることが出来たなら、
きっと当日出勤してくれているスタッフの皆にも、
自然と感謝を言えるようになると思います。

忙しい人手が足りない日にこそ、責任者の力の見せ所であり、経験の蓄積が出来ます。

ネガティブに捉えず、
「みんなの力が必要だから助けてくれ!」
という姿勢と、前述の7つの具体的な行動。
そんな背中を見せれると、必然的に人はついて来てくれます。

 

リーダーの在り方が問われる

人手が足りない営業日こそ、リーダーの在り方が問われる日です。
準備と仲間への配慮があれば、必ず乗り越えられます。

まずは、自分のお店に合った内容から、始めてみてください。
スタッフと共に乗り越えた先には、たとえ売り上げはMaxではなかったとしても、得られる効果は大きいと実感してきました。

 

そして――
最後まで読んでくれた人にオマケ。

僕は、そんな人員不足の日でも、売上を叩けた日には、
スタッフの勤務時間を少し伸ばしてあげたりもしていました。

ご参考になれば幸いです。

 

もう一度チャンスを下さい

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