社員の役割

スタッフ採用・教育 事例集 飲食店運営のヒント

飲食店における社員の役割とは?

飲食業は、パート・アルバイトの働き手が必須の業種ですが、
では、そこで働く社員との違いはなんでしょうか?

きっと皆さん「責任」だと口を揃えて言う事でしょう。
その通りなのですが、実際にその責任を全うされているでしょうか。

以下は経験から個人的主観に基づく意見ですが、
ご参考になれば幸いです。

 

社員は偉いワケでは無い

以前お手伝いさせて頂いたある飲食店で、
アルバイトから社員になった方がいました。

以降、それまでの業務内容と基本的には変わらなかったのですが、
アルバイトに「指示を出す」ことが追加されました。

しかしながら、その指示を出すことに不慣れだったせいもあったのでしょう。
言っていることは正しいことが多かったのですが、
自分の指示出しに従わない人への注意が度を超えて酷かったのです。

きっと本人なりに責任感を覚えての行動だったのかもしれませんが、
昨日まで同じアルバイトだった人から、
急に指示出し、ダメ出しをされるようになった――

チームの中からは、不協和音が聞こえてくるようになりました。

 

社員がなすべき仕事とは

本来、責任者や管理職がなすべき仕事とは、
「成果を上げるための管理」
であることは言うまでもありませんが、
加えて「リスクマネージメント」もあります。

攻めと守りですね。

最終的に責任を負うべきなのは長ですが、
その脇を固める社員たちが、最も行うべきなのは、
管理するための情報を拾う。という事だと思います。

その情報を基に、改善が生まれる訳ですから。

 

日々ある課題

飲食店という場所においては、
しっかりと見ていれば、日々何かしらの課題が浮き彫りになります。

それが人に因る問題(教育)もあれば、
オペレーション(仕組み)の問題もある。

そんな課題を一つづつ改善し、磨いていく役割――

僕が考える社員の仕事とは、
【現場のストレスを極力無くす】
【皆が働きやすくなるためのサポート】
に尽きると思っています。

アルバイトの上に立つ社員とは、
逆にみんなの縁の下の力持ちである必要があるのです。


僕の経験談

僕が飲食業に入って、初めてのホール業務をした会社は、
社員になりたいと言っても、すぐになれる会社ではありませんでした。

実は、その会社の経営者が記した著書に感銘を受けて、
本社へ履歴書を送り、取締役の面接を受けた後、

「自信ありそうだから出来るんじゃない」
という簡単な一言で片づけられ、(笑)

複数店舗あった希望業態の全店へ履歴書を回覧され、
希望した店長のところで面接を行って頂き、
確か面接を受けたのは5店舗ほどだったと思います。
その面接を受けた中で、自分でお店を選択して入社しました。

 

アルバイト最低時給からのスタート

しかし、どのお店も全て、
「スタートはアルバイトの最低時給から」
と言われていました。

理由は、その会社ではアルバイトの時給、
社員への登用、店長への就任全てが、
店舗内全てのスタッフの賛成多数を勝ち取れば昇給・昇格がある。
という、斬新なシステムのお陰でした。

要は、周りからの評価を、
自分で勝ち取らなければならない

という明確な判断基準があったのです。

 

社員へ立候補した時の反対コメント

僕はその会社で店長になることが目標で入社したので、
当然一日も早く社員になり、店長への足掛かりを作りたいわけです。

入社当時アルバイトの時給850円。(2001年当時)
そこから一度の時給昇格(900円)を挟み、
三カ月後の全体ミーティングで、僕は社員に立候補しました。
無事、賛成多数で社員になれたのですが、

その時の反対意見、あるアルバイトサブリーダーの方のコメントが今でも忘れられません。

 

社員ていうのは頼る存在だと思うけれど、入ってまだわずかの〇〇さん(僕)に、頼ることなんて何一つないから。

それを言われた時の僕の感情は、
(今に見返してやる)
という感情ばかりが強かったのですが、
この会社の民主主義的システムのお陰で、

社員とは頼られる存在であること

という至極もっともな本質を、
最初から強く意識できるようになった良い経験でした。


 

社員の責任とは

社員が負う責任というのは、
事が起こった後に負う責任もあれば、
事前に負う責任もあり多様です。

それぞれに得手不得手があり、
すべからく出来ている人などは稀有だと思いますが、
何をなすべきかそれぞれを具体的に把握しておく必要があるのではないでしょうか。

これまでに書いて来たことをまとめると、
僕が考える【社員の責任】とは、

皆さんが働きやすい職場づくり

だと思っています。

 

ひいては、頼られる事。
存在の安心感】ではないでしょうか。

そのために指示出しが必要であり、
意にそぐわなかった際の指導が必要なのです。

この順番ができていないと、前述の彼の様に、
一生懸命だけど空回りに繋がりかねません。

 

もし今、何かしらでお悩みのことがあれば、
一度アルバイトの皆さんが働きやすく改善できているか、
頼られているか?を鑑みて下さい。

振り返って少し胸がウっとなったら、
何かしら変える必要があるかもしれません。

ご参考になれば幸いです。

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