飲食店では、多くのパート・アルバイトスタッフの力によって営業が成り立っています。
では、その中で社員の役割とは何でしょうか。
「責任を負うこと」
そう答える方が多いと思います。
もちろん間違いではありません。
しかし私は20年以上飲食店の現場で管理職を経験する中で、
社員とは、
「頼られる存在になること」
だと思うようになりました。
指示を出すことでも、
偉くなることでもありません。
困った時に相談できる。
安心して任せられる。
あの人がいれば何とかなる。
そんな存在になることこそが、社員や管理職に求められる役割ではないでしょうか。
今回は、私が現場で学んできた「飲食店における社員の本当の役割」についてお話したいと思います。
社員は偉くなった人ではない
以前お手伝いさせて頂いたある飲食店で、
アルバイトから社員になった方がいました。
社員になったことで、業務内容自体は大きく変わりませんでしたが、
新たに加わったのが「指示を出すこと」でした。
しかし、本人も慣れていなかったのでしょう。
言っている内容自体は間違っていないことが多かったのですが、
指示に従わないスタッフへの注意が徐々に厳しくなり、
周囲との関係がぎくしゃくし始めました。
本人なりに責任感を持っていたのだと思います。
しかし周囲から見れば、
昨日まで同じ立場だった人が、
急に命令する人になった。
そんな印象だったのでしょう。
結果として、現場には不協和音が生まれてしまいました。
社員になったから偉くなったわけではありません。
むしろ逆です。
社員になるということは、
仲間を支える責任が増えるということなのです。
社員の仕事は「管理」よりも「サポート」
責任者や管理職が担う仕事は、
成果を上げるための管理
であることは間違いありません。
しかし、それだけではありません。
もう一つ重要なのが、
リスクマネジメント
です。
攻めと守り。
この両方を担うのが社員の役割です。
そして現場にいる社員が最もやるべきことは、
情報を集めること。
だと思っています。
現場で何が起きているのか。
スタッフは何に困っているのか。
お客様はどこにストレスを感じているのか。
そうした情報がなければ改善は生まれません。
社員の価値とは、
問題を発見し、改善につなげること。
その積み重ねなのです。
課題を見つけ、働きやすい環境を作る
飲食店の現場には、
毎日のように課題があります。
それは、
人に関する問題かもしれません。
教育の問題かもしれません。
仕組みの問題かもしれません。
オペレーションの問題かもしれません。
現場をよく見れば、
必ず改善できるポイントがあります。
その課題を一つずつ解決していくこと。
それこそが社員の役割だと思っています。
私が考える社員の仕事とは、
- 現場のストレスを減らすこと
- スタッフが働きやすい環境を作ること
- お客様満足度を高めること
です。
つまり、
縁の下の力持ちになること。
社員とは、上に立つ人ではなく、
下から支える人であるべきなのです。
私が社員の本質を学んだ出来事
アルバイト最低時給からのスタート
私が飲食業界に入って最初にホール業務を経験した会社では、
社員になりたいと言っても簡単になれる会社ではありませんでした。
その会社の経営者が書いた本に感銘を受け、
本社へ履歴書を送り、
取締役との面接を経て入社しました。
しかし入社後は、
アルバイトの最低時給からスタート。
当時としては少し驚きました。
理由は明確でした。
その会社では、
- アルバイトの昇給
- 社員への登用
- 店長への昇格
すべてが、
店舗スタッフの賛成多数
によって決まっていたのです。
つまり、周囲から認められなければ昇格できない。
そんな仕組みでした。
社員へ立候補した時の忘れられない一言
私は店長になることを目標に入社していました。
だから一日でも早く社員になりたかった。
入社から三か月後。
全体ミーティングで社員に立候補しました。
結果は賛成多数。
無事社員になることができました。
しかしその時、一人のアルバイトリーダーが反対意見を述べました。
その言葉が今でも忘れられません。
「社員っていうのは頼る存在だと思うけれど、
入ってまだわずかの〇〇さんに頼ることなんて何一つないから」
その瞬間の私は、
「今に見返してやる」
という気持ちしかありませんでした。
でも今振り返ると、その人は本質を突いていました。
社員とは肩書きではなく、
頼られる存在であること。
それを教えてもらった瞬間だったと思います。
社員の責任とは何か
社員の責任には、
問題が起きた後に負う責任もあります。
しかし本当に重要なのは、
問題が起きる前に負う責任です。
ミスを防ぐ。
事故を防ぐ。
働きやすい環境を作る。
スタッフが力を発揮できる状態を整える。
そうした事前の責任こそ、
社員に求められているのではないでしょうか。
私は、社員の責任とは、
「皆が働きやすい職場を作ること」
だと思っています。
そしてその先にあるのが、
頼られる存在になること。
なのです。
まとめ|社員とは頼られる存在である
社員とは、指示を出す人ではありません。
現場の問題を解決し、
仲間を支え、
困った時に頼られる存在です。
だからこそ、社員の価値は肩書きではなく、
「あの人がいてくれて助かる」
と言われる回数で決まるのではないでしょうか。
私自身、あの日の
「あなたに頼ることは何一つない」
という言葉を今でも忘れていません。
社員になった今。
管理職になった今。
自分は本当に頼られる存在になれているだろうか。
そう自問し続けることが、
良い管理職への第一歩だと思っています。
ご参考になれば幸いです。
社員は、役職が付いたから頼られるのではありません。
日々の行動や言葉、周囲への関わり方の積み重ねによって、
少しずつ信頼を獲得していくものです。
しかし実際には、
「何を教えれば良いのか分からない」
「社員に何を求めれば良いのか曖昧」
「店長によって教育内容がバラバラ」
そんな悩みを抱える飲食店も少なくありません。
DUEでは、現場経験25年以上の視点から、
・社員教育の仕組みづくり
・店長育成
・オリエンテーション設計
・行動指針の言語化
・評価基準の整備
などをサポートしています。
もし今、
「もっと良いチームを作りたい」
「スタッフが自然と育つ環境を作りたい」
とお考えでしたら、一度お話を聞かせてください。
現場に合った形で、一緒に考えさせていただきます。
