Noと言うなら報告

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飲食店の営業中、スタッフがNoと言ったことは報告されているか?

報連相の判断基準

よく、「報連相(報告・連絡・相談)」と言われますが、
自店舗の報連相は完璧だ!と思われたこと、ありますか?

なかなか思うようにいかないのが実情ではないでしょうか。
私はそうでした。

「なぜそれを報告しないの?」

「どうして相談しなかったの?」

そんなことはザラでした。
その理由は様々ですが、報連相されないことは多々ありました。

 

飲食店の現場では、複数のテーブルのお食事が同時進行で行われるがゆえに、
色々な問題も同時進行で発生しています。

その同時進行の営業中で、全ての判断を責任者にあおがれることは非効率であり、不可能でもありますので、
それぞれのスタッフに権限移譲されるというのは当然の成り行きです。

では、そのスタッフに報連相を判断する際の材料として、
「具体的に何を」予め伝えているでしょうか?

 

YESはスタッフの判断で。Noは報告が必要

これだと、至ってシンプルで憶えやすいですね。

スタッフがお客様からの問いかけやお願いに対して、
「Yes」は自分の判断でやって構わないよ。
と、決めてしまうのです。

これを言うのには覚悟が必要ですが、
お客様にとっては、素晴らしい対応になります。

また責任者にとって、お客様からの要望に対して
「No」という内容にこそ、改善の種がある
ことから、これを聞き逃してはなりません。

そのお客様への対応も然りですが、
今後のために必ず報告して欲しい内容となります。

 

 

絶対NOと言わない

が、標語になっている飲食店企業もあります。
実際そこで働いていたことがあるのですが、

あるとき経営陣の方が視察で、とある店舗に訪れていた時。
多忙のピークに、お客様から「たばこ買って来て」とお願いされたことがありました。

人手を割くことが難しかったので、スタッフが「No」と言ったようです。
お客様はその会社の標語を知っていたようで、
「絶対Noと言わないんじゃないのかよ」とぼやきながら煙草を買いに出かけたそうです。

その経営陣の人は、「これだけ知られているという事を肝に銘じなさい」
という意味合いのことを会議で言われていましたが、
大事なのは、そのNoと言ったことを、責任者が知っていたかどうか?です。

 

前述のように、Yesの判断していいよ!と決めていて、
もしその場でスタッフがYesと言ったら、
幾ら忙しくてもそれを認め、褒めることが必要になります。

しかしながら、それが影響して、他のお客様への対応が遅くなれば、
全体のサービスが低下することも考えられます。

では、どちらが正しい判断なのでしょうか?

 

難しい判断は事例を積み重ねていく

私がその現場の責任者なら、
「今は行けないから、落ち着いてからでも良いか?って聞いてみて」
「それまでの間、タバコが吸えないなら、銘柄が違ってもいいからスタッフの一本差し上げて。
そのスタッフには後で俺が一箱買ってあげるから」

といった対応をしたかもしれません。
これはその場ではNoなのですが、
Noと断言しているのではなく、代替案を提案しています。
しかしそれも、報告してくれないと、対応できないのです。

そうやって事例を共有していくことによって、
このケースはこうすればいいのか。
という判断基準がスタッフに増えていきます。

もしくは、こうすれば良かったよね。
というディスカッションも出来るようになることもあるでしょう。

 

報連相が未来を変える

上記は一例ですが、紐づいて上司の在り方や、コンセプトの作り方、
ひいては、お客様にどう貢献していくのか?
など、根幹が定まっていないと報連相を定義づけることはできません。

お客様と最前線で向き合っている人たちは、
日々、何を受け答えして、何に困ったり、返答に窮していたりするのか。

先ほどの「たばこを買って来て」を、Noと言った人はきっと
(今ここを離れたら、皆に迷惑がかかる)と、天秤にかけて断った事でしょう。

その判断自体が悪いわけではないと私は思います。
状況がそれを許さないと判断したことは、間違いではない。

ただ、それを報告しているかしていないかで、
お客様への対応が変わるという事。
ひいては、満足度に繋がっていくという事。

そのことを、きちんと説明できるようになる必要があると思うのです。

タイトル通り、
スタッフがNoと言ったことは報告されているか?
が、最も大事な理由です。

 

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