お手伝いさせて頂いている飲食店での一コマ。
営業開始前のミーティング時に、マネージャーからウェイターになって間もない新人スタッフへ苦言が。
どうやら、新規のお客様がテーブルについてから、
ファーストタッチ迄の時間が長すぎて、お客様をイライラさせていたことに対してでした。
新人スタッフは入店されている事自体に気付いていなかったようです。
その苦言の呈し方が、
「そろそろ気合を入れないとダメだよ」
という、受け止め方がよく分からない言葉に終始していました。
「〇〇君(新人の名前)は、具体的に何が問題だったのか、次からどうすれば良いのか、改善点は分かっているの?」
と、思わず口を挟んでしまったのですが、
新人教育の際に行うべきは、まず5Wの内容を明確にして、
HOWの方法を伝えること、時に自分で考えさせることが必要です。

会社・お店としての理念や行動指針が第一にある
新人教育の際に、先輩や同僚からの、
それぞれの教えがブレない様にするために、
まず第一に「理念」や「行動指針」を明確にすることから始めましょう。
理念やコンセプトなど、言葉に出来ていないなら、
まずは言葉にすることから始めるべきです。
既に言葉にされているなら、それに則った形で教育されているか。
なぜそれがダメなのか?
は、個々の価値観に委ねられるのではなく、
根本的な理念や考え方に基づく方が、あるべき理想に近づくのは勿論、教わる方も納得しやすくなります。
優先順位をどう教えるか?
私がマネージャーをしていた時に、優先順位の指導方法について悩んだことがありました。
飲食店の現場は「ライブ」であるため、
10分前とは違う優先順位になることが多々あります。
「さっきは〇〇が先だと言ったのに」
ある新人が同僚に愚痴を言っていたことが耳に入りました。
なるほど、一度そう指導されたら、それが最優先になる――
指導方法の難しさを実感しました。
優先順位の考え方
飲食店では、どのようなことが同時に起こるでしょうか?
一般的には以下に分類されると思います。
- 電話対応
- お客様の来店・席へのご案内
- ファーストタッチ
- オーダーテイク
- フードアップ・ドリンクアップ
- 中間バッシング
- 会計
- リセット
例えばこれらが同時に起こったとすれば、
お店としての優先順位はどうなるか?
を、決めておくことが必要だと思いました。
しかしながら、その時の状況によって変化することも、
付け加えておくべきです。
例えばランチタイム中の12時45分~は、
一般的に昼食時間が終わる間際ですので、
会計を最優先にしよう。だったり、
ご予約の前回転でお客様が帰られた後は、
リセット最優先であったり、
それぞれご経験があることばかりだと思います。
根本的な優先順位を敢えてつけるのは、
それが変化することを伝えるために必要なのです。
具体的に言葉にする
具体的な指導法の言語化が、最も難しいのではないでしょうか。
前述のマネージャーも、何がダメなのか?は分かっているものの、
今後どうすれば良いのか?の結論を言葉に出来ないから、
感情論や、抽象的な物言いをすることになってしまっているのです。
刻一刻と状況が変化していく飲食店の現場において、
感覚で理解していくことが多いことでしょう。
しかし、共通認識を持たせるためには、言語化はとても大事です。
私も、自身が注意された経験の中で、
「なぜ、叱られたのか?どうすれば良かったのか?次からはどう対応すればよいのか?――」
その出来事を、感覚で捉えていた人間でした。
指導者になって初めて、これらを言語化できていることが、とても大事だと気付かされたのですね。
5W1H
私が指導者として、教えるべきHOWを言語化するために最初に行ったのは、
冒頭に書いたように5Wを明確にすることからでした。
実はこの5Wを明確に言葉にすることで、
より良いHOWが思い付いたこともありました。
ですので、なぜ、なにがダメなのか?を、管理職や指導者は具体的に言葉にすべきです。
その具体的な言葉が、チームとしてブラッシュアップされて、共有されていくことが、最も重要だと思います。
言葉化していくアプローチをそれぞれで行ってみてはいかがでしょうか。

考える時間がない場合には、私共がお手伝いさせて頂きます。
ご興味があれば、お話だけでも聞かせて下さい。
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