スタッフ成長貢献

コラム スタッフ採用・教育 飲食店運営のヒント

貢献こそが生み出す価値〜スタッフの成長を支えることが、店の未来をつくる〜

 

人材不足の時代に本当に必要なこと

人材不足の中で、お店にとって最も必要なのは、
「やる気のある人材の獲得」ではないでしょうか。

しかし、やる気のある人ほど独立など目標を持っており、
長く定着してくれるケースは多くありません。
いずれ離れていくことも想定しなければなりません。

skills

働いてみたくなるお店とは?——面接に至るまでの仕掛けを考える

上の記事でも書きましたが、
「面接に来たくなるお店」であることと、
「採用後すぐ辞めず、長く働いてもらえるお店」であること、
この両立が欠かせません。


スタッフはお客様の“協力者”か?

自営業時代、私はスタッフを「お客様に喜んでもらうための協力者」と考えていました。
この考えは一見正しいようで、実は条件があります。
その人が「お客様に喜んでもらう」という軸を自分の中に持っていることです。

もしその軸が一致していなければ、
期待とのズレから怒りや失望が生まれ、それが相手にも伝わってしまいます。


店もスタッフも笑顔になるために必要な軸

お客様商売である以上、「喜んでもらう」ことは絶対条件です。
しかし、人がいなければ売上は立ちません。

このジレンマを解消するために必要な軸が、
“スタッフの成長への貢献” です。
成長を支えることが、店の価値を高め、長期的な成果につながります。

Don't just take, give


成長を促すために店がすべきこと

1. 成長意欲のある人材を採用する

私が重視していた素養は、まず「成長するために努力する姿勢」。
そういう人には、どんどん機会を与え、その成長を喜びながら見守りました。

もう一つ大切なのは「素直さ」です。
素直な人は吸収も早く、成長のスピードも加速します。


2. 必要なスキルを磨く場を提供する

コミュニケーション

飲食業は人と接することで価値を生む仕事です。
単なる会話力ではなく、相手への配慮が伴ったコミュニケーションが重要です。
わかりやすく言えば「聞き上手」であること。

知識

自店の商品や素材の知識を持つことも必須です。
例えば先日、「いぶりがっこ」を使った料理を提供していたお店で、
スタッフがそれを英語で説明できず、省略してしまった場面がありました。
「知っているつもり」を放置せず、調べて学ぶ姿勢が必要です。

行動力

積極的に学び、見様見真似でもまず動いてみる人は必ず伸びます。
嫌われがちな業務――洗い物や掃除などを進んでやる人は、間違いなく引き上げるべき人材です。
マネジメント側は、そうした行動をみんなの前で称賛することが大切です。


スタッフへの成長の手助け

昔いた職場で、卒業生に向けて送ったLINEの内容を、
僕がその店舗を異動後、次の年の卒業生が保存してくれていて、
自分の卒業時に見返して、感謝されたことがありました。

このメッセージを、自分に貰ったと思って読み返しました

とっても嬉しかったのですが、
その内容をシェアしてみようと思います。


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【仕事が出来る人の条件】

来年で卒業の方はじめ、追々社会人になる皆さんへ。
最後にエールを含め、書いてみたいと思います。
長文なので、読んでくれる人だけどうぞ。

サボらず地道に続けられるスキル

仕事の出来る人の条件は、分かっている事を、
サボらずしっかり出来るかどうかが一つ目です。

人は簡単に自分に甘えられます。
そう書く自分自身もそうです。

こないだ見たテレビで、
青山学院大学の陸上部監督、
原晋さんが言ってました。

監督就任時の弱かった時代に、
一番最初にやった事。それは、

【スケジュール通りに生活させること】

と言ってました。

聞く耳持つ人少なかったそうですが、
守った人だけ、どんどん成績が伸びたそうです。

成績がぐんぐん上がると、皆楽しくなって、
どんどん練習し、更に成績が伸びたそうです。

でも、やはりそれでも世間は甘くないです。
すぐに優勝出来たわけではありません。
努力しても、結果が出ない時もあると思います。

事実、青山学院大学の黄金期まで、
時間がまだまだ必要だったそうです。

 

イチローも言ってました。

小さいことを積み重ねるのが、
とんでもないところへ行くただひとつの道
だと思っています。
と。

当たり前のことをサボらず地道に続けること。
が、いかに大事かを覚えておいて下さい。

 

大事なことを素直に言えるように

二つ目。

自分にとって本当に大事なことを、
素直に言えるようになって。
言えなくても、心の中に芯としてしっかりある様になって。

○○店の、あるアルバイトスタッフは、
カッコ良くなりたい。と言ってました。
それを恥ずかしげもなく、しっかり言えて、
僕は素晴らしいと思います。

カッコ良くなりたいのゴールがどこにあるか知りませんが、
その目的地が遠ければ遠いほど、
そのために努力を惜しまない人は素晴らしいです。

自分が知ってるある社長さんは、
何社も経営していて、誰もが羨む女性と結婚してます。

昔から、自分に不釣り合いなほど、
とびっきりの女性と結婚したい。
と言ってはばからなかったそうです。

 

心に正直に

自分のハートが熱くなれるなら、
心に正直で良いです。

女にモテたい。
綺麗になりたい。
金持ちになりたい。
有名になりたい。
人の役に立ちたい。。

そして、それが間違いないなら、
日々一つ一つ大事にして、
手を抜かない努力をしてみて下さい。

でも、冒頭に戻りますが、
その結果のための道のりは、たいてい地味で、
簡単にサボれることだったりします。

少なくとも皆より生きてきた自分も、
時には蛇行したり、引き返したり、
たまには足踏み外したりもありました。

きっとそれぞれ色々、必ずあると思います。
そんな時、自分の芯を見直してみて下さい。

 

基本は同じ

自分は、せっかくこの会社に入って来てくれて、
関わった皆さんに、
ここで働けたから経験できたこと、知り得たこと。
を少しでも伝えたいと思って来ました。

時には厳しく躾るし、叱ります。

後々、必ずどこかで壁にぶち当たる事は、
先に経験して欲しいからです。

その為に、来てすぐにお願いしたルール、
明るく元気に挨拶しっかりしてねー。

とか、

お客様よく見てねー。
とか言います。

これってどこに行っても必ず同じです。
基本だからです。
そして、、簡単にサボれる事でもあります。

社会に出る前の皆さんに、
仕事の、社会人の基本を伝える事で、
少しでも役に立てば良いなぁと思います。

いよいよ親の下から旅立つ皆さん。
そして追々旅立つ皆さんへ。
明るい未来しか待ってないよ。

芯をしっかり持てるような大人になって、
たまにはサボってもいいけど、大事なことは手を抜かずに。

頑張って下さい。

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まとめ 〜明日からできる一歩〜

スタッフの成長に貢献できる環境を整えることは、
お店にとっても最も価値のある投資です。

まずは、「素直さ」「努力する姿勢」「行動力」 を評価する文化をつくりましょう。
そして、それをきちんと称賛し、学びと挑戦の場を与えること。

明日からできることは、
今日スタッフがやってくれた“ひとつの良い行動”を言葉にして褒めることです。
それが店の未来を変えます。

そして、冒頭にも書きましたが、やる気のある人材は得てして目標を持っていることが多いです。

ですがもし辞められたとしても、築き上げた「文化」は残ります。
名門や強豪校が強いのは、築き上げてきた文化があるからこそです。

もちろん、たゆまぬ研鑽は必要になりますが、
地道に文化を作り上げることこそが、お店の未来を育みます。

是非、お客様だけでなく、スタッフにも、貢献をしましょう。

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