説明=期待感
飲食店では料理や飲料などを、頻繁にご説明します。
メニューを出すとき、オーダーを取るとき、
料理・飲料の提供の時・・・
それぞれでの説明は異なりますが、
共通しているのは、期待感を持って頂く事ではないでしょうか。
期待感を演出する
「期待感の演出」とは、
「これから起こることへのアプローチの仕方を提案する」
と言い換えられると思います。
例えばメニューを出すときの期待感の演出とは、
お店のコンセプトに則ってのメニュー構成であることのご説明や、店独自のウリのお話など。
オーダーテイクの際には、量・味わいの流れなどの全体の構成を行い、
信頼感を演出するとともに、期待感を膨らましてして頂く。
料理・飲料提供時には、その背景のエピソードを簡潔に、
しかし注意して欲しい部分をお伝えする。
漠然と料理・飲料を口に運ぶよりも、
概ね注意して欲しい箇所をお伝えした方がお客様は情報を拾いやすかったりします。
お口に運ばれる前に、期待感を演出する――
それを行えるのは、ライブ感とシズル感、
そして「人の言葉である」ということです。
エピソードの欠片はたくさんある
料理・飲料に「完全なオリジナル」というのは少ないと思います。
ほぼ、何かしらのベースから派生していたり、
アレンジされていたりするでしょう。
そこには、考え方や素材、製法、器具、器、多様な背景から構成されていると思います。
その中で、どの部分にフォーカスし、ご説明するべきなのか。
エピソードを集める5つの方法
1. 【作り手に聞く】――なぜこの料理になったのか?
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なぜこの素材を使っているのか?
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どういう工夫を加えているのか?
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背景は何か?
「作り手(キッチンスタッフ)」へのインタビューは、豊富な裏話や想いの宝庫です。
ストーリーをしっかりと落とし込み、自身の言葉で再編集することが大事です。
2. 【仕入れ先に目を向ける】――素材の背景に注目
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地元野菜や特定の農園・漁港など、仕入れ元のストーリー
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生産者とのつながり
仕入れに同行したり、HP・SNSで生産者の声を拾ったりするだけでも、話の種は見つかります。
3. 【お客様の反応を観察する】――どこに驚いているか?
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盛り付け?香り?食感?
- よく出る質問は何か?
「どこにお客様が食いつくか?」を観察することで、伝えるべき“ポイント”が見えてきます。
4. 【スタッフの説明の仕方を共有する】――断片を集め、まとめる
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他のスタッフや、キッチンスタッフにどう説明すればいいか聞いてみる。
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気になったフレーズや出来事を集める
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そのまま流用するのか、自分の言葉に置き換えてみるのか?
日々の試行錯誤が、後々形となり、「伝わる言葉」を生み出します。
5. 【自分自身の経験も混ぜる】――あなたの視点も武器
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似た料理との違いを感じたエピソード
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初めて味見したときの驚きや発見
あなた自身が「美味しい」と思った理由を言語化することで、お客様との距離がぐっと縮まります。

最後に:エピソードは、“拾う力”と“伝える工夫”で生まれる
伝わるストーリーは突然ひらめくものではなく、日々の観察・会話・経験から少しずつ形になります。
まずは「何か語れることはないか?」と意識を持つこと。
そして、「どう響かせたいか?」という視点で言葉を磨いていくこと。
それが、“お客様に届くエピソード”を作り出す第一歩になります。
作り手の想いは勿論かもしれませんが、
受け手であるお客様に最もフォーカスして欲しい部分と、
お客様が響く部分とが合致していることも、大事ですね。
私共では飲食店スタッフ教育のための
「ご提案~料理提供までの言葉を整えること」を共に創るサービスも行っています。
ご興味があれば、お話だけでも聞かせて下さい。
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