コラム スタッフ採用・教育 飲食店運営のヒント

営業力は、どの企業も【喉から手が出るほど】欲しい

僕がある企業にいた頃、その会社の会議で、
社長がポロっと漏らした言葉があります。

〇〇(パスタチェーン店企業)の純利益率、20%を超えるそうだぞ。

一般的な飲食店の利益率は、概ね5%~高くても10%、
15%を超えれば【ドル箱】の店舗(業態)と言われます。

そのパスタチェーンは、僕が今までに聞いた利益率のナンバー2でした。
(ナンバーワンは単店の、とあるカフェ)

 

その企業でもパスタチェーンを

日本全国に展開する――
そういった野望が社長の一言で生まれ、
実際に動き出しました。

そのプロジェクトを担うコンセプトリーダーは、
有名な、ある外資系企業を日本に誘致した際に、
立ち上げた幹部の一人が招聘されました。

 

コンセプト説明会にて

そのリーダーが、社内向けにプレゼンを行ったのですが、
その際に言っていた言葉がとても印象的で、今でも覚えています。

この会社の強みは、「売る姿勢」。
この売る姿勢というのは、簡単に教えることが出来ない、
どの企業も喉から手が出るほど欲しいスキル
それをこの会社は持っている。

分かり易く言えば【営業力】です。

 

営業初心者が怖いこと

営業の一番の怖さは、「断られること」だという。
まず、その壁を乗り越えることが第一歩だと聞きます。

飲食店の営業とは、もう一品、もう一杯ご注文頂くこと――

とりわけ、もう一杯(飲み物)は、
ウェイターのおススメによって、大きく左右されます。

余談ですが――

飲食店において、フードの一品とドリンクの一杯は、
圧倒的にドリンク一杯の方が利益率が高く、
かつ、かかる手間(人件費)も圧倒的に違います。

料理一品よりも、ドリンク一杯をご注文頂いた方が、
商売としては嬉しいのです。

 

営業力が育まれた背景

その会社では、グラスの中の残量が、
指二本分になったらお代わりを聞く】
というアクションをルールとしていました。

実はこのルールは、ほとんどのお店(企業)
でも決めていることが多いのですが、
それが上手くいっている所は少ないのです。

一番の理由は、スタッフが感じる、
前述の断られる事への怖さなのですが、
その会社は何故上手くいっていたのか?

(中には残量に気付けていない。
というスキル不足もあったりしますが)

 

「イケてない」という言葉が怖かった

単純に、「お代わりを聞けない」ことが、
ウェイターとして「イケてない
と揶揄されていたからです。
要は「ダメな奴レッテル」を貼られていたのです。

もちろん、人格否定ではありません。
もっと明るい、しかし、仕事できないね
というダメ出しでした。

これ、実際に言われると、メラメラと燃え上がってきます。
黙らせてやろう。見返してやろう。
その気概を持っている人が伸びていく、残っていく――

時代背景もきっと、影響していたと思います。

そういう文化、そういう土壌で育ってくると、
お代わり聞いて当たり前=お客様のためだから。
という価値観で皆が働いていました。

 

文化と土壌を作る

先人たちが試行錯誤して重ねてきた実績が、
文化として根付いたと言えます。

実際、その会社の全盛期の店長たちは、
僕にとって先輩に当たるのですが、
とにかく仕事の出来る人が多く、
今ではその卒業生が興した会社が全盛となっています。

しかし現在、その多くの会社が、やはり人員不足という現実に直面しています。

 

閑話休題。

昔は良かった――

なんて言うと、あからさまに歳を取ったなぁ。
と感じてしまいますが、
あの頃の同僚、他店舗の店長、スタッフたちは、
ほんとギラギラしていたと思います。

イケてるかイケてないか。

そんな曖昧な評価で、がむしゃらに働けたのは、
やる気に応じたステージがあったのだなぁ。
時代背景に合った会社だったんだなぁ。
という気がします。

 

話が逸れました。

 

売る姿勢は、結局は店長次第

まとめると、やはり店長の采配一つで、
この売る姿勢というのは顕著に現れます。

やはり、スタッフはリーダーの背中を見るものです。

売る姿勢、成功体験、失敗から学ぶ――
いずれにせよ、目標を立てなければ、成果は判断できません。

日々、曖昧に営業に臨んでいないか。
スタッフたちに良い影響を与えられているかどうか。
そのやり方も、リーダーそれぞれ。

 

お前イケてないね~

店長に、その一言だけで踊らされていた僕は、
ほんとやり易かった部下だったと思います。(笑)

しかし、そのお陰で、お代わりの聞き方も上達しました。

どこかのタイミングで、ドリンクお代わりの受け方を書いてみたいと思います。

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