飲食店の不正は、管理者にとって、決して他人事ではありません。
私自身、25年以上にわたり飲食店の現場運営や店長業務に携わる中で、
・現金横領
・POS不正
・棚卸不正
・小口現金の私的利用
・売上金持ち逃げ
など、さまざまな不正事例を経験してきました。
不正は発覚した瞬間だけが問題ではありません。
被害額の回収
従業員との関係悪化
店舗の士気低下
再発防止策の構築
など、多大な時間とコストを奪います。
そして何より厄介なのは、
「まさか、あの人が」
というケースが非常に多いことです。
本記事では、私自身が経験した事例をもとに、
飲食店で発生しやすい不正の種類と防止策をまとめました。
経営者・店長・マネージャーの方は、
ぜひ自店舗の仕組みを見直す参考にしてください。
飲食店で起こる不正は大きく3種類
ヒト
- 横領
- レジ不正
- 架空勤務
- タイムカード不正
モノ
- 食材持ち出し
- 酒類持ち出し
- 備品持ち出し
カネ
- 現金横領
- 売上金持ち逃げ
- 小口不正
- POS不正
なぜ飲食店で不正が起きるのか?
1. 管理されていない
不正防止最大のポイントは
「見られている」
と認識させることです。
2. オペレーションに穴がある
人を疑う前に、
仕組みを疑う必要があります。
3. 権限が集中している
一人で完結できる仕組みは危険です。
重要なのは、
「なぜ行われたのかを確認する仕組み」
を作ることです。
実際に不正を発見することよりも、
「確認されている」
という認識を持たせることの方が効果が高いからです。
人は、
誰も見ていないと思うとルールを破りやすくなります。
逆に、
確認されることが前提になると、
不正そのものを考えなくなります。
不正は、
「悪い人がいるから起きる」
だけではありません。
確認不足や管理不足といった、
現場の構造が原因で起きることも少なくありません。
だからこそ経営者や管理者は、
誰かを疑うことよりも、
不正が起きにくい仕組みを作ることに力を注ぐべきです。
POS不正・VOID処理による横領
- VOID処理とは?
- オーダー取消とは?
- なぜ横領できるのか?
不正防止は性善説だけでは成り立ちません。
だからといって、
全員を疑い続ける必要もありません。
重要なのは、
不正をしづらい環境を作ることです。
例えば、
- VOID処理は責任者承認制にする
- オーダーキャンセルは複数人で確認する
- ジャーナルを日次で確認する
- 理由を必ず記録する
こうした仕組みがあるだけで、不正発生率は大きく下がります。
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現金横領・売上金不正
最も多い不正は、「現金」にまつわる問題です。
キャッシュレスやカードにまつわる不正は起こりづらいのが実情です。
ですので、
店舗にどれだけ現金を置かない様にするか。
が、重要です。
よくある事例
- 売上金持ち逃げ
- 釣銭金横領
- レジ差額隠し
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棚卸不正・架空在庫計上
棚卸不正は発見が遅れます。
特に危険なのが
- ワイン
- 日本酒
- 高額食材
です。
大事なのは、
高額なものの管理を一人で行わせない。
ことです。
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小口現金不正
小口は
「少額だから大丈夫」
が最も危険です。
典型例
- コンビニ利用
- 私的購入
- 領収書改ざん
→内部リンク
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不正が発覚したらどう対応するか
起こってほしくない不正。
しかし、起きた時の対処法が事前にわかっているだけで、
対応が迅速になり、
回収の有無、再発防止に役立ちます。
対応手順
①証拠収集
- POSログ
- 防犯カメラ
- 伝票
②事実確認
感情的にならない
③弁護士相談
必須
④被害額の回収
- 分割返済
- 示談
- 身元保証人
⑤再発防止
仕組み改善
上記5つの手順を、以下のリンクで詳しく説明しています。
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横領は「人」の問題ではなく「仕組み」の問題
不正をした本人に責任があることは当然です。
しかし、
経営者や店長は
「なぜ不正できたのか」
を考えなければなりません。
不正は、
人が悪いから起きるのではなく、
不正できる環境があるから起きる。
これは私が現場で学んだ大きな教訓です。
不正防止に役立つ管理ツール
以下は実際に僕が使用していたツールたちですが、
それぞれメリットが大きかったものたちです。
しかしながら、店舗の規模に合わせて導入をする事が必要です。
中には、必要のないシステムがあると思います。
ぜひ、メリット・デメリットを踏まえて運用してほしいです。
POSシステム
★★★★★
勤怠管理システム
★★★★★
発注システム
★★★★☆
防犯カメラ
★★★★☆
自動釣銭機
★★★☆☆
ツールより大切なのは運用ルール
ここまで5つのツールをご紹介しました。
しかし、
実際にはツールを導入しただけでは不正は防げません。
例えば、
- POSがあってもVOID処理を確認しない
- カメラがあっても映像を見ない
- 勤怠システムがあっても打刻管理しない
これでは意味がありません。
ツールを適切に活用し、
「不正が起こらない仕組み」
を作ることが必要です。
ツールは管理のためではなく、
現場が安心して働ける環境を作るために導入する。
その視点が、これからの飲食店経営には欠かせないと思います。
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キャッシュレス化は最大の不正防止策
現金を扱わなければ
- 横領
- レジ差額
- 釣銭ミス
が激減します。
現金がなければ着服しにくい
当たり前ですが、
現金がなければ、
現金を盗むことはできません。
もちろん、
キャッシュレス決済でも不正リスクはゼロではありません。
しかし、
レジから現金を抜く。
売上金を持ち出す。
釣銭金を着服する。
こうした不正は大幅に減少します。
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まとめ|不正は人ではなく仕組みで防ぐ
私はこれまで、数多くの不正事例を見てきました。
しかし振り返ると、
不正をした人だけが悪い
という単純な話ではありません。
不正ができる環境があり、
見つからない仕組みがあり、
管理されていない状態があった。
その結果として不正が発生しています。
だからこそ、
「人を信じる」
だけでは不十分です。
信じるために、確認できる仕組みを作る。
それが経営者や店長に求められる不正防止の本質だと私は考えています。







