コンサルタントの方からの助言
私が昔店長をしていた店舗に、
アパレル関係のコンサルタントをやってらしたお客様がいました。
その方から教えて頂いたのが表題の言葉です。
私がまだ店長になる以前から、
その方には可愛がってもらえていました。
そんな人に気に入ってもらえて嬉しかったのも束の間、
僕が店長になった後、その方のお仕事柄もあり、
スタッフの接客内容に不満があるとすぐに注意を受けるようになりました。
いい意味で、お越し頂くと背筋が伸びるような方でした。
後に、私が移籍したお店にも、お越し頂けました。
その際にスタッフのある一言で注意を受けました。
それは、食後のデザートのとき。
そのお店ではデザート時に、サービスでジャスミン茶をお出ししていました。
そのお客様にも、いつものようにスタッフがジャスミン茶を提供したところ、
僕を呼んでいる。とそのスタッフから報告されたのです。
注意された内容
今までの経験から(あ、何か注意されるな)
とすぐわかりました。
その方は、接客内容で気に入らないことがあると、
その時点ですぐ、私を呼べと言うからです。
(今回は何だろう?)と背筋を正しながら伺ったら。
『〇〇(私の名前)、今のスタッフがお茶持ってきてくれたんだけど。
出すときに、「サービスでご用意しているジャスミン茶です。よろしければどうぞ」
と言って置いていったの。
何がダメか分かる?』
???いえ、、、分からないです。
何がダメだったんでしょうか?
不思議そうに、そう聞く私に教えてくれたのが、以下です。
いい?私たち(アパレル)販売をやっている人は、
お客様に【試着してもらってナンボ】なのよ。
例えばさっきみたいに「よろしければ」って言うと、
お客様って絶対に試着してくれないの。なぜなら、試着するかどうかの判断を、
お客様に【委ねる質問】なのよ。
試着すると買わなきゃいけなくなるんじゃないか。
って不安に思うから、試着してくれないのよ。せっかく(お茶を)無料で出しているなら、
判断を委ねるような言い方ではなく、「是非どうぞ」って言わせなさい。
試着も「是非、試着してみて下さい」と言うと、
勧められている=【気に入らなかったら断りやすい】
っていう感情が働くから、試着してもらいやすくなるのよ。でも、人は着ると欲しくなっちゃうのよね。
なるほど!と思いました。
その方はコンサル先の全店舗の売り上げをUPさせたそうです。
そのノウハウの一端を、私に教えてくださったのです。
その方が、コンサルとして現場に入ってやるべき事の、
一番最初が、よろしければの撲滅だったと仰っていました。
もちろん言葉だけではなく、色々付随しての専門的な教えもあったようですが、
私(飲食店)にとっては言葉だけで十分でした。
翌日の朝礼で全スタッフに共有し、
以降ジャスミン茶を提供する際の、
「是非どうぞ」を徹底させたのは言うまでもありません。
それ以来、例えばラストオーダーでテーブルを回る際にも、
ご来店頂いた際に、おススメのメニューを提案するときも、
決まって必ず「是非」の言葉を、自身でも使ってみました。
驚くほど違うことを実感したのです。
そして使ってみると、
「是非」という言葉は、自信の裏打ちであることにも気付けました。
ナチュラルにその言葉が口をついて出てくる際には、
確固たる意志があってこそ、使える言葉だと思い出しました。
言葉に意志もパワーもあったのです。
逆を言うと「是非」という言葉を使いながら、
自信のない言い方だとお客様に「?」が浮かびます。
言い方ありきで始めたら、
後追いでその「裏打ち」を作らなければなりません。
前述のサービスとは違い、有料であるが故に、
しっかりとした「お勧めする根拠」なのです。
良い意味で、私たちに素敵な課題を残してくれました。
その方は、とにかく気になったことを僕に教えてくれました。
僕がお店を開業した時にも、当時イタリアと日本を行ったり来たりしていましたが、時間を見つけて来てくれました。
そこでも、気になったことを一つ、
私へのお祝いとして授かったアドバイスがあります。
それはまた、別の機会で。
お読み頂きありがとうございました。
何かしらご参考になれば幸いです。