理念は、掲げるだけでは意味がない
いつも読ませていただいている方のnoteで、こんな言葉を目にしました。
「たかが焼鳥屋で世の中を変えたいのです。」
「たかが焼鳥屋、されど焼鳥屋。」
この言葉は、焼鳥チェーンとして有名な鳥貴族の理念です。
そして興味深いのは、その理念が文章として存在しているだけではないこと。
鳥貴族では全店舗の入口に、
「うぬぼれ中」
と書かれた木札が掲げられているそうです。
働く人たちが毎日目にする場所に置くことで、
理念を思い出す仕掛けになっているのです。
理念は作ることよりも、
忘れないことの方が難しい。
私はそう思っています。
伊勢丹が「売場」と呼ばない理由
この話を聞いて思い出したことがあります。
以前、アパレル業界で長く働かれていた方から聞いたお話です。
伊勢丹では、
「売場」
とは言わず、
「お買場」
と呼ぶそうです。
たった一文字の違いですが、
受ける印象は大きく変わります。
売場は、お店側の視点。
お買場は、お客様側の視点。
どちらを向いて仕事をしているのかが、
言葉そのものに表れています。
言葉は姿勢を作る
理念やコンセプトは、
「私たちは何を大切にするのか」
を表したものです。
そして、その価値観は言葉に宿ります。
だからこそ、
- お客様
- ゲスト
- 利用者
などの呼び方ひとつにも意味があります。
働く人は、毎日使う言葉に影響を受けます。
だからまず必要なのは、
理念を表現する言葉を決めること
なのです。
理念だけでは現場は変わらない
しかし、
理念を作っただけで現場が変わることはありません。
ここが多くの企業や店舗が苦労する部分です。
なぜなら、
理念は抽象的だからです。
例えば、
「お客様第一」
という理念があったとしても、
具体的に何をすれば良いのかは分かりません。
だからこそ必要なのが、
行動指針
です。
リッツ・カールトンの行動指針
理念を行動に落とし込んでいる代表例が、
リッツ・カールトンです。
有名なモットーがあります。
We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentlemen
紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です
素晴らしい理念ですが、
さらに重要なのは、
それを現場で実践するための具体的な行動が定められていることです。
サービスの3ステップ
- 心からのご挨拶をする
- お客様のニーズを先読みする
- 心を込めてお見送りする
理念が、
誰でも理解できる行動レベルまで落とし込まれているのです。
飲食店でも同じ
飲食店でも本質は同じです。
例えば、
「お客様に喜んでもらう」
という理念なら、
- 来店30秒以内に声をかける
- お客様の名前を覚える
- ドリンク残量を確認する
- おすすめを一品提案する
など、
具体的な行動に変換する必要があります。
理念はゴール。
行動指針は地図です。
地図がなければ、
スタッフは目的地までたどり着けません。
行動指針がないと、教育は属人化する
私が現場で最も多く見てきた問題のひとつが、
教える人によって言うことが違う
という状態です。
店長はAと言う。
副店長はBと言う。
ベテランスタッフはCと言う。
新人は混乱します。
理念を共有していても、
行動指針がなければ、
結局は個人の価値観に依存してしまうのです。
だからこそ、
理念を言葉にし、
行動に落とし込み、
誰でも同じ基準で教えられる状態を作る。
ここまでやって初めて、
理念が組織文化になります。
まとめ|理念を形にするのは行動指針
理念とは、
「どんな価値を提供したいのか」
を表すものです。
しかし、お客様に伝わるのは理念ではありません。
日々の行動です。
だからこそ、
理念
↓
行動指針
↓
教育
↓
文化
という流れを作らなければなりません。
理念はあるけれど、
現場に浸透していない。
スタッフごとに対応が違う。
何を基準に教育すれば良いか分からない。
そんなお悩みを持つ店舗や企業は少なくありません。
理念を「現場で使える言葉」にしたい方へ
DUEでは、飲食店運営の実績をもとに、
- 理念・コンセプトの言語化
- 行動指針の作成
- 接客基準の策定
- スタッフ教育マニュアルの作成
などをお手伝いしています。
「想いはあるけれど、うまく伝えられない」
そんな時は、お気軽にご相談ください。

