お客様の満足度は、営業中に決まる――。
そう思われがちですが、実際には違います。
本当に大切なのは、営業が始まる前の【準備】です。
僕が以前働いていたレストランでは、営業前のミーティングで、
その日に来店される全てのお客様の「来店背景」を、スタッフ全員で共有する時間がありました。
なぜなら、
・デート
・接待
・記念日
・会食
・家族利用
これらは全て、お客様が求めるサービスが違うからです。
同じ「いらっしゃいませ」でも、
その一言の温度感や距離感は変わります。
つまり、サービスとは均一ではありません。
お客様の背景を理解し、その方が何を求めているのかを想像する。
その上で実際にご来店された際に“答え合わせ”をしていく。
それこそが、本来のサービスだと私は考えています。
なぜ「均一なサービス」では満足されないのか
デートと接待では求められる接客が違う
例えば、デート利用のお客様。
必要なのは、会話を邪魔しない距離感や空気感かもしれません。
一方で接待利用であれば、
・料理提供のテンポ
・ドリンク確認
・席の空気の読み方
・主賓への配慮
など、求められるものは大きく変わります。
しかし、背景を知らずに画一的なサービスを行うと、お客様が本当に求めていることとズレが生じます。
むしろそれは、「丁寧な接客」ではなく、“準備不足”なのではないかとさえ感じます。
サービスは“背景理解”から始まる
お客様が何を期待して来店されるのか。
その想像力を持つことが、サービスの出発点です。
そして、その意識をスタッフ間で共有できている店舗ほど、連携したサービスが生まれます。
これは、個人技ではありません。
チーム全体で作る「空気」なのです。
顧客満足度を高める3つの準備
1.来店背景を共有する
営業前に、その日の予約内容を確認する。
これは多くのお店で行われています。
しかし、本当に重要なのは「予約人数」ではなく、その背景です。
・どんな用途なのか
・誰が予約したのか
・常連なのか
・初来店なのか
こうした情報を共有することで、接客の精度は大きく変わります。
特にファーストタッチは重要です。
最初の数秒で、「この店は分かってくれている」と感じていただけるかどうかが、その後の満足度を左右します。
2.顧客情報を事前に読み込む
今や予約システムには、多くの情報が蓄積されています。
・メールアドレス
・電話番号
・過去の利用履歴
・注文内容
・来店頻度
・ご要望欄
これらは、全て“情報資産”です。
例えばメールアドレス一つでも、多くのヒントがあります。
〇〇〇@gmail.com のアカウント名には、誕生日や趣味、好きなものが入っていることがあります。
また、会社ドメインであれば、その企業を事前に調べることもできます。
どんな事業をされているのか。
どんな会社なのか。
そこを事前に把握しておくだけで、会話や対応の質が変わることがあります。
もちろん、全てを使う必要はありません。
ただ、“知っている”という準備は、必要な瞬間に大きな力になります。
3.来店タイミングをコントロールする
多忙時に最も重要なのは、オペレーションです。
そしてオペレーションを左右するのが、「来店タイミング」です。
現在はWEB予約が主流のため、同じ時間帯に予約が集中しやすくなっています。
すると、
・ファーストタッチが遅れる
・料理提供が詰まる
・ドリンクが遅れる
・スタッフが焦る
こうしたことが起き始めます。
つまり、来店の集中は、そのままクオリティ低下につながるのです。
レセプションは“レストランの頭脳”
同時間帯の予約数をコントロールする
私は、同じ時間帯に入る予約は、1セクションにつき「3組まで」が理想だと考えています。
熟練スタッフなら何とか回せますが、不慣れなスタッフなら2組が限界かもしれません。
もしそれを超えるなら、
・セクションを増やす
・人員配置を変える
など、事前の設計が必要です。
実際、以前携わったレストランでは、平日と土日で同じ2セクション運営をしていたため、週末は常にオペレーションが崩れていました。
そこで土日だけ3セクションに変更したところ、現場は驚くほどスムーズになりました。
入店コントロールが満足度を左右する
ただし、予約は予定通りには進みません。
・早く来るお客様
・遅れて来るお客様
必ずイレギュラーが起きます。
そこで重要になるのが、レセプションです。
レセプションは、単なる「ご案内係」ではありません。
・どこで待っていただくか
・どの順番で入店していただくか
・予約のどの席を動かす(変更)べきか
その瞬時の判断が、店全体の空気を左右します。
私は、レストランにおいて、
「売上を作る頭脳はレセプション、心臓はデシャップ」
だと思っています。
そして、その頭脳が“全体満足”を考えて動けるかどうかで、お店のレベルは大きく変わります。
まとめ|満足度は「接客」ではなく「設計」で決まる
レストラン全体のお客様満足度は、偶然生まれるものではありません。
・背景理解
・情報共有
・オペレーション設計
これらを営業前にどれだけ準備できているか。
そこが、サービス品質を大きく左右します。
つまり、満足度は「接客」だけで作るものではなく、事前に“設計”し、“準備”するものなのです。
少しでも、現場づくりの参考になれば幸いです。
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